就労ビザの在留期間は?最長5年!

文責:弁護士 上田佳孝

最終更新日:2024年08月29日

1 就労ビザとは

 外国人が日本に滞在するには、出入国管理及び難民認定法(以下、「入管法」といいます。)に基づく在留資格を取得することが求められます。

 在留資格は、外国人の活動内容や身分に応じてさまざまに分類されていますが、その中でも、日本での就労を目的とする在留資格は、一般的に就労ビザと呼ばれています。

2 就労ビザの種類と在留期間

 入管法の別表第一の一の表、及び、二の表には、日本での就労を目的とする在留資格の一覧が記載されており、具体的には、「外交」、「公用」、「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」、「高度専門職」、「経営・管理」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「介護」、「興行」、「技能」、「特定技能」、「技能実習」の19種類の在留資格があります(参考リンク:出入国在留管理庁・在留資格一覧表)。

 また、在留資格の種類ごとに、在留期間が定められています。

⑴ 「技術・人文知識・国際業務」

 これら就労ビザのうち、特に利用頻度が高いものの一つとして、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が挙げられます。

 本資格は、「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(一の表の教授,芸術,報道の項に掲げる活動,この表の経営・管理,法律・会計業務,医療,研究,教育,企業内転勤,介護,興行の項に掲げる活動を除く。)」と定義される在留資格で、具体的には、機械工学等の技術者や通訳・翻訳者、デザイナー、語学指導者、マーケティングや広報などの業務従事者等が該当します。

 「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の在留期間は、5年、3年、1年、3か月と4つの区分に分かれています。

⑵ 「特定技能」

 「特定技能」の在留資格は、「技術・人文知識・国際業務」と同じく、就労ビザの中でも特に利用頻度が高いものの一つです。

 本資格は、日本において深刻化する人手不足という背景を受けて、労働力が特に不足していると考えられる特定産業分野において人材を確保することを目的にして創設されました。

 本資格は、「特定技能1号」と「特定技能2号」に区分され、2号の方がより専門的な技能が求められます。

 本記事作成現在、「特定技能1号」で働くことができる分野は12分野(介護、ビルクリーニング、建設、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業)、「特定技能2号」で働くことができる分野は上記のうち介護を除く11分野となっています。

 「特定技能1号」の在留期間については、1年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定し、通算して5年を超えることはできません。

 「特定技能2号」の在留期間については、3年、1年又は6か月の在留期間が与えられ、通算しての上限はありません。

⑶ その他

 ア 技能実習

 上記のほか、利用頻度の高いビザの一つである「技能実習」の在留資格は、「1号」、「2号」、「3号」に区分されており、在留期間は、「1号」の場合は1年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間、「2号」、「3号」の場合は2年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間とされています。

 イ 経営・管理

 外国人が日本で経営を行う際に必要になる「経営・管理」の在留資格の場合、5年、3年、1年、6か月、4か月、3か月という在留期間の区分がされています。

3 就労ビザの種類や申請者の状況によって期間が変わることに注意

 在留資格ごとに異なる在留期間が定められており、また、同じ在留資格であっても申請者の状況に応じて認めてもらえる在留期間が変わりますので、在留期間の更新等をお考えの際には、取次資格者に相談して手続きをすすめると安心かと思います。

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